「兄弟姉妹」の関係性は、成長する過程で大きな影響を与えます。心理カウンセラーとして20年以上活動を続けてきた根本裕幸さんいわく、「兄姉がいるか、弟妹がいるか、また何番目に生まれたかによって、人生観や性格がある程度決まる場合がある」とのこと。今回は、第一子として生まれた子が置かれる環境と、その影響についてご紹介します。
親の期待を一身に背負う第一子
基本となる兄弟姉妹の心理の話をしたいと思います。
スタートは第一子です。
第一子は文字通り初めての子どもですから、両親も緊張感を持って子育てに向き合います。ミルクをあげるのもオムツを替えるのも初体験ですから、どんなオムツがいいのか、断乳はどうしたらいいのか、いろいろと考え、試行錯誤します。
泣きやまなければ「どうしたんだろう?」と心配になりますし、体調がすぐれないようであれば、すぐに病院に駆け込みます。
ある程度大きくなっても、このデリケートな子育ては変わりません。
公園デビューも、予防接種も、幼稚園の入園も、習い事も、ランドセルを買うのも、すべてのイベントが初めてなのですから当然でしょう。
第一子の子育ては、このように慎重かつ丁寧になると同時に、親は子どもに対して惜しみなく愛情を注ぎます。
ただ、そうした親の緊張感が常に向けられているので、過保護に育てられることになり、その影響で第一子自身も神経質で「緊張しい」な性格になりやすいものです。
また、親がたくさん愛情を注いでくれるのはいいことですが、同時に期待もたくさんかけられます。その期待に応えるべく、良い子・優等生に育ちやすくなるのです。
このように、親との距離感が近くなるがゆえに、ときに近すぎる関係になることもあります。いわゆる「べったりな親子」です。
これには両親の夫婦仲や性格、さらには経済状況などの要素も絡み合うのですが、親の過保護が過干渉となり、なかなか自立できない子が多いのもまた、事実です。