弟妹誕生による兄姉の大きなハートブレイク

さて、ひとりっ子の場合はここで終わりますが、弟妹がいる兄姉には続きがあります。

第一子が「我が世の春」を謳歌している最中に第二子が生まれると、彼・彼女は大きなハートブレイクを経験します。なぜなら、自分だけに向けられていた両親の目が一気に第二子に向いてしまうからです。

「そりゃあ、小さい子の方が手がかかるんだから仕方ない」とわかるのは、ある程度大きくなってから。弟妹と歳の差(おおよそ5歳以上)がある場合はそれほどダメージは大きくないのですが、その差が小さければ小さいほど、親の愛情が100から0になってしまったように感じて、ショックを受けるのです。

ここで第一子は第二子に奪われた親の愛情を取り戻そうとして頑張ります。

まず第一子がとるのが、「手のかからない子になってお母さんに褒められる」という“戦略”です。お手伝いをしたり、自分のことを自分でやったり、お母さんの気持ちを読んで行動したりするのです。

もちろん、これは本心からではありません。ただでさえ弟妹に親の愛情が向いている(ように感じている)わけですから、ここで良い子になって注目を浴びたいわけです。

このハートブレイクは、まさに「初めての大失恋」と言えるほどの痛手を第一子に与えます。

『兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか』(著:根本裕幸/WAVE出版)