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周囲の人のネガティブな発言や自分勝手な行動に心をかき乱されると、前向きな気持ちを保つのは難しいもの。そんな相手とのコミュニケーションをスムーズにし、毎日を穏やかに過ごす練習を始めましょう(構成=村瀬素子 イラスト=すぎやままり)

「いい人」のリスク

歳を重ねるにつれ、交友範囲が狭くなり、密な人間関係の中でストレスを抱える人が多くなるようです。例えば頑固な親、気分屋な職場の同僚など、つき合うのが面倒だなと感じても簡単に縁を切ることができない関係の場合、心のモヤモヤが募っていきます。

特に『婦人公論』世代の女性は、自分の意見を主張せず相手に従ってしまう傾向が。ひと昔前の日本では、女性は従順であるべきという考えが一般的でした。そのため、家事や介護、あるいは職場で面倒を押しつけられても、断れずに引き受けてしまう。

内心は「なぜ夫は家事を手伝ってくれないの?」「週末はパートを休みたいのに」と不満があっても、断る罪悪感や「反対意見を言うと嫌われるかも」という不安から、本音を言えず、相手に服従してしまうのです。

一見「いい人」のようですが、相手からは「都合のいい人」と思われ、本人の心には鬱憤がたまります。その状態が続くと気分が落ち込み、うつなど深刻な心身の不調を招くことも。

また、抑えていた感情が爆発して、突然、攻撃的な言動をとってしまい、その結果、関係が完全に途絶えてしまうケースもあります。これではとても前向きな気持ちになどなれません。