長年我慢を続けてきた人ほど難しいでしょうから、最初は日常の小さなことからトライしてみてください。
例えば友人とのランチで「食後のコーヒーを飲まない?」と誘われた時、飲みたくなければ「私は遠慮しておく。このあと用事があるから」と自分の意見を伝える。家事を手伝ってくれない夫に、「出かけたついでにブロッコリーを買ってきてくれない?」と頼む。店員から欲しくないものを勧められたら「結構です」と断る……。
アサーティブの練習は、算数ドリルと同じ。簡単な課題を何度もクリアすることで、「NOと言えた」「頼むことができた」と自信につながり、徐々に身につくものです。
もう一つつけ加えると、『婦人公論』世代は、人間関係において「狭くても深い関わりがいい」という思い込みが強いように感じます。もちろん家族や親しい友人とのつながりも大切ですが、それだけでなく、地域サークルなどでたまに会って話す程度の浅いつながりも広げてほしいですね。
濃密な人間関係の逃げ場になりますし、視点を変えて状況を見つめることができる。深いつながりと浅いつながり、両方を大事にしたほうが健全なメンタルを保てるのです。
こうしたことを踏まえ、次ページから、少し苦手だと思っている相手ともうまくつき合う方法をお伝えします。日常生活の中で応用すれば、次第に自分の心に正直でいられるようになり、毎日が楽しくなるはずです。