忖度せず、素直に伝える
自分が機嫌よくいられて、面倒な相手とも心地よい関係を築くために大切なのは、「アサーティブ」なコミュニケーションです。
アサーティブとは簡単に言うと、自分の気持ちを正直にきちんと相手に伝えること。一方的に自分の意見を主張すること、きつい言い方をすることとは異なります。
どちらかが我慢したり仕方なく妥協したりするのではなく、尊重し合い、相手も自分も納得できるゴールを目指すのです。
アサーティブになる第一歩は、自分はどう感じ、どうしたいのか――自分の本心に耳を傾けること。そして忖度や遠慮をせず、それを素直に表明することです。次の3つはアサーティブの基本なので、ぜひ覚えてください。
【A】会話の基本は「Iメッセージ」。お願いしたいことがある時、「なぜあなたは掃除をしないの」と相手(You)を主語にすると、相手は責められている気分になり防御してしまう。「私は掃除してもらいたい」と自分(I)を主語にするだけで、状況や気持ちが伝わりやすくなります。
【B】依頼や誘いを断る場合は、できるだけ早く返事を。先延ばしにすると余計言いにくくなりますし、かえって相手の気持ちを傷つけることになります。
【C】心にもない言葉や余計な一言は口にしないこと。行きたくない会合を断る時に「また今度お声がけください」と言えば、再び誘われてしまいます。「こういう会が苦手なので」と明るく素直に状況を説明して断ったほうが、意図も伝わるうえに誠実です。また、「本当は行きたいけれど……」という曖昧な表現も避けましょう。