安売りのトリックを知っておく

こんな話があります。

あるスーパーでそれまでの「安売り」「値引き」をやめて、常に適正価格で売り出しをしたところ、途端に客足は途絶え、そのスーパーは倒産の危機に陥ったそうです。急遽、売り方を前に戻し「50%引き」「30%引き」と大売り出しをしたところ、店は再び盛況に。

多くの人は「適正価格」より「安売り」「値引き」のほうにお得感を感じるようです。

確かに「適正価格1万円」より、「2万円のお品を半額の1万円で!」と表示してあるほうが、お得な気がします。

わたしもよく引っ掛かったものです。

わたしの1万円食費で「イワシ」は大きな位置を占めています<『73歳、月5万円でますます快適! 「ちょうどいい」を自分で創る ごきげんプチプラ生活』より>

それを使うたびに「本当は2万円のお品」と満足なわけです。最初から本当の価値は1万円でもね。

こんなトリックに多くの人が引っ掛かるのには、いくつかの理由があります。

(1)その品物の値段が本当に適正価格なのか、見分ける力がない。

(2)2万円の品物が1万円で買えると思うことで、1万円得したと思う。

その品物が本当に2万円の価値があるのかどうかはわかりません。買わない選択をすれば、1万円は手元に残ります。それでも「使うお得」を選ぶ。

(3)高級品のトリックを知らない。

ニセモノのブランドバッグは、たとえば本物が15万円だとすると、2万円で売るより6万、7万円で売るほうがよく売れるといいます。

2万円ならニセモノだからこんなに安いのだろうと思ってしまいますが、6万円だと本物と思ってしまう。