長男に打ち明ける
しかし、一応、家族の中にも味方がいた方がなにかと便利だと思い、ある晩、長男のときおにだけそっとこの保護犬計画を打ち明けた。
「まじで?まじなの?」
息子はあまりの突拍子もない提案に爆笑していた。そして
「わかったよ。きっとお母さん喜ぶと思うよ。つむぎ(娘)もずっと犬ほしいっていってたもんね。なにかあれば協力するよ」
と、応援の言葉をもらって心がすっと軽くなった。
それから一週間。ついに首を長くして待っていた雅姫さんからのLINEが届いた。「子犬たちがの写真が届きました!」
※本稿は、『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(風鳴舎)の一部を再編集したものです。
『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(著:小林孝延/風鳴舎)
余命半年と宣告された妻。絶望しかなかった小林家の一員となった保護犬・福。
人を警戒してなかなか懐かない殺処分寸前だった福がもたらしたのは、“笑顔”と“生きようとする力”。
救われたのは犬ではなく僕ら家族だったーー。