中村メイコさん(中央)と娘の神津はづきさん(左)、神津カンナさん(右)(母娘3人での座談会は笑顔で。『婦人公論』2020年2月10日号より/撮影:宮崎貢司)
〈神津はづきさん、弟の神津善之介さんと4月8日の『徹子の部屋』に登場〉
2歳半で芸能界入りし、86年の長きにわたり女優として活躍を続けた中村メイコさんが、2023年12月31日に逝去しました。享年89。亡くなる直前までテレビ収録を行っていたというメイコさんの最期の様子を娘2人が生前の母との思い出とともに語った、発売中の『婦人公論』4月号から記事を先出し配信します。(構成:篠藤ゆり 撮影:大河内 禎)

映画みたいな最期になるとは

はづき 母の最後の仕事は、ジュディ・オングさんと出演した『徹子の部屋』。収録は亡くなる6日前の12月25日ですから、本当にギリギリまで仕事をしていました。

カンナ 収録の時は、元気だったのよね。

はづき 元気、元気。父(作曲家の神津善行さん)によると、亡くなる前日まで、2日で1本、ウィスキーを空けていたんですって。若い頃は1日に1本空けていたけど、肝臓の数値もまったく問題なかった。

カンナ ただものじゃない。(笑)

はづき 12月31日の午前中、私は両親のマンションにおせち料理を届けに行って。母は洗面所にいたので、「置いておいたからね」と声をかけたら、「はいは~い、ありがとう」といつも通り。それが最後の会話だった。

カンナ 父によれば母はその夜、あまり食欲がなくて、『紅白歌合戦』の途中で「もう寝るわ」と寝室に行ったそうです。