たましいの視点をもって
新しい友人を求めるなんて、あっさりしていて冷たいと思いますか? いいえ、大事なのは、あの世へ旅立つ人をこの世に引き留めないことです。「あなたがいなくなってさみしくてたまらない」と気落ちして鬱々と過ごしていたら、亡くなった方は後ろ髪を引かれておちおちあの世へ行ってはいられません。Aのように前向きに生きる姿勢を見せてこそ、友人は安心してあの世に向かえるのです。
もちろん友人の冥福を祈り、心を寄せることは大切です。けれどたましいの視点を持っていれば、悲しむだけではなく、「今まで私と仲良くしてくれてありがとう」と感謝の気持ちが溢れてくるはずです。そして、「あなたがいなくなってさみしいけれど、私はもう少しこの世で頑張るね」と言えるのではないでしょうか。
一方、Bのように「親しい友人を亡くし、自分の中に広がる喪失感と向き合わざるをえない」と思うのが、なぜ不幸ぐせなのかも解説しておきましょう。親しい人を見送りさみしさが募るのは理解できますが、「喪失感」となると、それはかなり自分本位の感情と言えるからです。