地形図上の文字

さて、地形図に記される文字の多くは地名だ。中でも最も多いのは「居住地名」だろう。要するに市区町村や大字、町名などの行政地名(国土地理院では「行政区画」と「居住地名」に分ける)だ。

現行の「平成25年図式」ではこの分野の地名表記が以前より大幅に簡略化され、書体はゴシック体のみで字大(字の大きさ)が主に3種類となった。

『地図記号のひみつ』(著:今尾恵介/中央公論新社)

市区町村名は13ポイント(4.6ミリ、飛び地は7.5ポイント)、その下の階層の町や大字などの地名、国土地理院の用語では「居住地名(公称)」が6ポイント(2.1ミリ)である。地域によっては「居住地名(通称)」というのもあり、これは5.5ポイント(1.9ミリ)でグレー(墨75%)の表示である。

市区町村以下の地名の階層は地域により異なるが、(1)市区町村、(2)大字・町名(丁目を含む)、(3)小字(こあざ)または通称、という3層が一般的で、(3)のない地域は多い。