大きなプロジェクトも最初は個人から

もう1つ、会社員時代に、同じような経験をしました。入社2年目のヒラ社員の頃のことです。あるアメリカ人ITコンサルタントの書いた本を知り、これを翻訳して出版できたらいいんじゃないか、と思いついたことがありました。

その時はただ漠然と思っただけです。

その思いつきを先輩に雑談で話してみたところ、先輩も面白がって乗ってくれました。しかも、なんと半日で企画書を作ってくれたのです。

早速その企画書を部長に見せたものの、あえなく否決されました。しかし、さらにその上役である事業部長に企画を見せると、「どんどんやれ!」と承認をもらい、予算もつきました。

出版社に打診したらOKしてもらい、米国の出版社から翻訳の権利を取得してもらいました。

そして、無事に出版できたのですが、それだけに留まらず、著者のコンサルタントを日本に呼んでセミナーも開催しました。しかも、その本がきっかけで、会社にコンサルティングの依頼が来ました。

私は当時、ただのヒラ社員でしたが、一人ずつ動かしていけば自分の思いついたことを実現できるんだという経験をしました。

会社もコミュニティもプロジェクトも、形作っているのは個々人です。

相手が大勢だったりプロジェクトが大規模だったりする時ほど、これを忘れがちですが、結局は一人ひとりを味方にするのが一番早いのです。

※本稿は『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、話し方・つながり方』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。


誰でもできるのに9割の人が気づいていない、話し方・つながり方』(著:今井孝/幻冬舎)

「口下手でも成功する社長はなにが違う?!」
「いつも自分で話が途切れてしまう……」
「居心地が悪くて自信が持てない」

会話で悩まなくなるために知っておきたい、今すぐできる逆転の術。
対人関係の悩みから自由になり、自分の居場所が見つかる一冊。

 

3万人以上の起業家を支援し、マーケティングコンサルタントして全国で講演、セミナーは常に満席の著者によると、「僕もそんなに上手い話し方ではありません」という。それでも伝えたいことを伝えビジネスを成立させて、会話に困らなくなったのには、これまでに培った逆転の考え方がある。キャラ設定をする・沈黙を楽しんでみるなど、目から鱗のスイッチ方法で、単なるうまい話し方ではなく、伝わる・つながる話し方を伝授する一冊。ベストセラー『誰でもできるのに9割の人が気づいていないお金の生み出し方』『起業家一年目の教科書』の著者が教える、コミュニケーション論の決定版。