人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

「60%主義」でいこう

懸命に生きてきた人ほど、年をとってから、理想と現実のギャップに悩むことが多いようです。

ちょっと前までは簡単にできたことに手間取る、体力や気力の衰えを感じる……。そうした瞬間に自分は老いたと感じ、悩んだり、落ちこんだりしてしまうのです。

たとえば「階段の上り下りに手すりを使う」「電車の中で座席に座りたくなる」「物を置いたまま忘れる」「人の名前が出てこない」といったことも、深刻な老化現象ととらえてしまうのでしょう。しかし、それは避けて通れない道です。

気持ちだけは若くて、いまも昔と変わらないはずと頑張ってみたところで、衰えから逃れることはできません。