時代の変わり目

ロケーションが終わって赤坂に戻ったのは午後11時近かったろうか。坂崎とAPの富田とADの山田と4人で、行きつけの「かっぱ亭」に立ち寄り遅い食事をとった。雨は、止む気配がなかった。

「昭和」から「平成」の時代の変わり目をその店で迎えた。放送開始は、翌日に迫っていた。

「天皇崩御」で、1月7日、8日のテレビは追悼番組一色となった。新聞各紙の号外は2000万部も発行された。通常番組が消えたため、レンタルビデオ店が大繁盛となった。9日(月)から、徐々に通常編成に復することになった。

その結果『代議士の妻たち2』は、「平成」初の連続ドラマということになったのである(番組中の提供CMは半分が「湖の白鳥」の映像に差し替えられた)。

当日の「試写」欄は、『讀賣新聞』が大きく取り上げてくれた。

『証言 TBSドラマ私史: 1978-1993』(著:市川哲夫/言視舎)

「えぐり出される政治家の実像」との見出しで「映画『迷走地図』を思わせる硬質なドラマに仕上げている。原作にとらわれず、代議士の生の姿をえぐり出すことに主眼を置いたのが良かった。出演者たちも役にはまった演技を見せている。(聖)」。

はたして、初回視聴率は16.8%の高視聴率だった(パート1の最終回と全く同じ数字だった)。

裏のフジの「月9」は一週遅れてのスタートで、2局のドラマは翌週から競合することになった。好発進で現場は大いに活気づいた。

1月11日、TBSの局長人事があり制作局長に鈴木淳生が就き、梅本局長は編成局長となる。