秀介 去年8月に、じいちゃんが新型コロナウイルスに感染した時は大変だったよね。僕は1階で眠るじいちゃんに何かあったらと思って、茶の間に布団を敷いて寝て。一時期は僕が朝食を作っていたけれど、少し回復して歩けるようになってからは、また自分で作ってたね。
廣喜 そうだね。
秀介 ある朝、じいちゃんが台所で立ったまま朝ご飯を食べてたのにはびっくりしたよ。「寒いから茶の間で食べなさいよ」と言ったのに来なくて。
不思議に思っていたら、ヘルパーさんが「あれは朝、秀介さんを起こさないようにと気づかっていたんですよ。廣喜さん、優しい方ですね」って教えてくれた。
いつの間にか僕がじいちゃんに気をつかわれてたんだ。(笑)
廣喜 朝ご飯を台所で食べたことがあったというだけで、そんなんじゃないよ。
秀介 じいちゃんは、自分がやったことを、「これが正しいんだ」とか「やってあげたんだ」とは絶対に言わない。驕ったところが全然なくて、尊敬するなあ。