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『婦人公論』の読者アンケートで、親の死に「喪失感を覚えた」と回答した人は89%。何かのきっかけで抜け出せる人がいる一方、22%の人は「まだ立ち直れていない」といいます。皆さんは胸の内に秘める悲しみとどう折り合いをつけて、日々過ごしているのでしょうか

大往生と人は言うけれど

母が亡くなった年齢は102 歳。「100歳以上も生きたのだから、あきらめなさい」と人は言いますが、何歳でも親の死は悲しいものです。ホームに入れる直前まで母と私のふたり暮らしでしたから、両手両足を取られたようで毎日泣いていました。電車に乗って親と同年代の人を見ると、「あの人はなんで生きているのだろう」と思ったこともあります。

私も90となり、心臓の手術を受けて、「外出禁止」の老人ホームに入居中です。今でも親を思い出し、「お母さんのことをボケなんて言ってごめんね」と謝っています。
(母102歳、私72歳の時/無職・90歳)

 

素直になればよかった

はっきり言って、母とはうまくいっていませんでした。ひどいことを言われたこともあります。ところが母が死に、今になって後悔が押し寄せてきたのです。もっと私が素直になればよかった。遠慮する母を説得して、最後は一緒に暮らせばよかった。

3ヵ月ほど色のない世界にいました。素直になればよかった。
(母90歳、私59歳の時/ソーシャルワーカー・60歳)

 

母が恋しくて

私には母と過ごした記憶がない。最近まで、どんな人だったのだろう、少しでもいいから会いたいという思いは続いた。

年上の従姉妹の話では、「神様仏様みたいにいい人だった」らしい。そのたびに思う。「いい人でなくていい、長生きしてほしかった」と。
(母40歳、私2歳の時/主婦・69歳)