サウナは心にも体にもいい影響があるのです…(写真提供:AdobeStock)  
サウナなんて、蒸し暑くて息苦しいだけ──。そんな「耐える」イメージと裏腹に、近年は女性の利用客が増え、サウナを取り巻く環境はさま変わりしています。そもそも、発祥の地として2000年以上の歴史を持つフィンランドでは、免疫機能を改善し、心も癒やす健康法として親しまれてきました。私たちも日常に取り入れるべく、まずはその小部屋を覗いてみましょう。(取材・文=鈴木裕子)

桶と柄杓を手にサービス?

このところ気温が下がってきて、手足が冷え気味。汗もかかなくなり、なんとなく体が重たい感じがする。これは、サウナにでも入ってカーッと汗をかいたほうがいいのではないか。でもサウナってオヤジのイメージが強くて、今ひとつ足が向かないんだよな……。

そんなことをつぶやいていたら、編集部のH嬢に「最近、女性用のサウナってきれいだし、イベントとして楽しめるところも増えているんですよ。一緒に行ってみません?」とお誘いいただいた。なんでも、サウナ室で係の人が蒸気を発生させてタオルであおぐ「アウフグース」というサービスがあって、これがすごく気持ちいいのだそうだ。

さっそく、そのサービスを行っている「スパ ラクーア」(東京・後楽園)に行ってみることにした。ここは東京ドームに併設された大型温浴施設。天然温泉とサウナが楽しめるほか、別料金で男女一緒に岩盤浴施設が利用できる。午前11時から翌朝9時まで滞在可能とあって、老若男女問わず人気を集めている。

サウナに入るにあたり、H嬢からは「こまめに水を飲み、休憩をはさむこと。くれぐれも無理をしないでくださいね」と釘を刺された。温泉をいくつか楽しんだあと、まずは約45℃のミストサウナに入ることに。

サウナには「乾式」と「湿式」の2タイプがあり、ミストサウナは後者の一つ。温水を噴霧して室内に充満させており、湿度は100%。体が濡れてきたのはミストのせいなのか汗なのかわからないが、体の表面からほんわり温かくなって、気持ちがいい。体が熱に慣れてきたところで、約80℃の乾式サウナへ。

顔の皮膚がピリッとする。1分ほど過ぎて、こめかみあたりからじわりじわりと汗が出始めるとその感覚は消えたが、かわりに腕や足の皮膚がピリピリしてきた。そうこうするうち次々に人が入ってきて、サウナ室は満員に。数えると35人。やっと全員が座れる状態だ。

と、半袖半ズボンタイプのウエットスーツを着たスタッフの女性が入ってきた。手には桶と柄杓を持っている。

「これからアウフグースを行います。今日はラベンダーをメインとした天然アロマオイルを使用します。私は担当の○△です。よろしくお願いします」。

おお、アウフグース! みんな、そのために集まってきたのか。