まわりにいる人を不快にさせるのは、立派なハラスメントです

人間は、あっという間に不安や不満に心を支配されて、悪いほうへ悪いほうへと考えてしまう生き物です。

そうすると、上機嫌どころかどんどん不機嫌になってしまいます。

(写真提供:Photo AC)

すると、まわりにいる人を不快にさせます。

それは立派なハラスメントです。不機嫌ハラスメントといって、最近では「フキハラ」というそうですね。近くに不機嫌な人がいると、それだけで自分まで嫌な気分になって、傷つきます。

不安や不満が私たちの心を支配する理由は、「人間の感情はネガティブが主体」だからだそうです。私たちのこのような感情のしくみを科学的に証明したのが、世界初の感情認識ツールを開発した満倉靖恵(みつくらやすえ)さんです。『フキハラの正体』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)のなかで詳しく述べられています。

アドラー心理学では、「人間の行動には目的がある」と唱えていますが、不機嫌の目的とはなんでしょうか。

赤ちゃんは、お腹が空いたり、眠くなると、ぐずって泣き出します。大人も不眠が続き、お腹が空けば、不機嫌になります。体調が悪いのをまわりにアピールしたいのかもしれません。

自分の思うようにいかないイライラをまわりにまき散らして、他人もおなじようにイライラさせたいのでしょうか。

自己評価が低く、他人が自分と比べて高く評価されることに怒りを感じるのかもしれません。

不機嫌を表に出してアピールすることで、まわりの人が気づかってくれるのを期待しているのでしょうか。

また、不機嫌によって、相手の行動をコントロールしようとしているのかもしれません。

いずれにせよ、どれもこれも聞くだけで、せっかく上機嫌でいようとしているあなたを、不機嫌で支配してしまいそうです。