新しい時代の幕開け

合格者242名の中には、1回目の受験で合格した嘉子の他に、前年に口述試験で不合格だった田中正子と、明大法学部に在学中で3回目の受験だった久米愛の2名も含まれており、明大の講堂では盛大な祝賀会も開かれました。

正子と愛は27歳(年齢は正子が愛の1つ上)、そして嘉子は23歳になっていました。

(写真提供:Photo AC)

3名の女性の合格は、日本の法曹の歴史における新しい時代の幕開けを意味していました。

※本稿は、『三淵嘉子 先駆者であり続けた女性法曹の物語』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。


三淵嘉子 先駆者であり続けた女性法曹の物語』(著:神野潔/日本能率協会マネジメントセンター)

2024年度・前期連続テレビ小説「虎に翼」のモデルは、日本初の女性弁護士の一人であり、初の女性判事及び家庭裁判所長・三淵嘉子(みぶち・よしこ:主演・伊藤沙莉、脚本・吉田恵里香)。

本書では、三淵嘉子の生誕から晩年までの生涯と、嘉子とともに歩んだ家族、友人、同僚たちについて紹介する。

嘉子が生涯を賭して成し遂げたかったこととは何だったのか。

「女性活躍」が求められる今にあって、その先駆者の生涯が今、明らかになる。