初日の筆記試験が終わった後…

筆記試験を受ける直前、嘉子はよく当たると評判の占いの先生を訪ねて、「受かる」と言われて試験に臨みました。

ところが、初日の筆記試験が終わると、嘉子はあまりの出来の悪さに、家に帰った瞬間に玄関で泣き崩れてしまいました。

『三淵嘉子 先駆者であり続けた女性法曹の物語』(著:神野潔/日本能率協会マネジメントセンター)

家族やかつて書生として武藤家にいた野瀬高生(この時は司法官試補で、後に裁判官となります)に励まされてなんとか気持ちを立て直し、翌日以降の試験にチャレンジし、筆記試験に合格しました。

さらに、続く口述試験も突破して、初の女性合格者となったのです。

出来が悪かったどころか、とても良い成績での合格だったようです。