至学館大学の出稽古で。常に試合を想定して真剣勝負

至学館大学の栄監督は、「2週間見たなかで、技術もすごいが、精神面の強さがほかの選手と違うと驚いた。スパーリングでも、もう一本、もう一本と自分を追い込む。これまではお父さんに言われてきたからかもしれないが、今は自分で自分を追い込むことができている。怪我に強い体も作っていて、パリの金メダルは間違いないでしょう。57キロ級選手を相手にしても勝っているから、パリの後は階級を上げても活躍しますよ」と、早くも「パリ以後」にまで期待を寄せる。

――将来はレスリングを中心に、スポーツの指導者になりたい。だから大学では教員免許の取得を目指しています。外国に行くことも多いので、英語など語学の勉強も欠かせません。

レスリング以外のオフの時間はリラックスしていますが、テレビはほとんど観ませんね。ビデオ映像などで外国選手を研究したりはします。

パリ五輪に向けて特にこの選手を警戒するということは、ありません。誰が来てもしっかり戦う準備をしているところです。残された課題は、組み手とディフェンス。これを完璧にしたい。そしてパリで金メダルを取って、両親と兄と一緒に、現地で乾杯したいですね。

 

日本でレスリングは競技人口が多いとは言えないマイナースポーツ。五輪や世界選手権でこそメダルが期待されるが、「オリンピックでしか注目されない競技」と揶揄されることもある。

――もっとレスリングの人気を高めるにはどうしたらいいか、ですか? それは、私が活躍することです。