科学研究の中心・つくば市

そんな茨城県のなかでも、また日本にとっても、つくば市は重要な場所です。

資源がない日本は、科学とテクノロジーを使った商品開発やもの作りによって繁栄を築いてきましたが、その研究の中心のひとつがつくばであり、さまざまな研究機関、施設が密集している場所なのです。

(写真:『日本再発見』より)

産業的な意味でも大事な場所ですし、すぐにお金になるわけではないけれども人類の知の営みとしてきわめて重要な基礎科学の研究においてもそうです。

たとえばKEK(高エネルギー加速器研究機構)では、最先端の物理学を駆使した素粒子(そりゅうし)の研究・実験を行っています。

ジョージアの関係者が視察する機会があり、私もご一緒したことがありますが、ここには、実在するのかわからない素粒子を見つけるためだけに設計された超巨大な加速器があり、茨城から岐阜にある実験施設に向けて粒子を放つという壮大なスケールの実験をしているのです。

世界的に見ても、これほどの規模の施設はほかにはスイスやアメリカくらいにしかないそうです。