仕事重視の風土

採用PRの仕事では、大手企業の人事部だったり、中小企業の社長だったり、組織のコアな人材との仕事が中心でした。

営業は「顧客から教えてもらう」主義で、お客さんからエネルギーをもらいました。

『どう生きる?――人生戦略としての「場所取り」の教科書』(著:藤原和博/祥伝社)

雑誌「住宅情報(現・SUUMO)」では、不動産デベロッパーの売り上げにかかわる開発部門やマーケティング部門と直接仕事をしていましたから、社会を変えている、動かしていることを自覚できました。

「じゃらん」「ゼクシィ」も同様です。仕事の相手先のモラルが高いと、エネルギーが入ってくる。

リクルートでは他人の足を引っ張ったり、社内の派閥で政治的に動いて相手を貶(おとし)めたり、といったこともいっさいありませんでした。

城山三郎(しろやまさぶろう)や池井戸潤(いけいどじゅん)が小説で描くような社内の確執や嫌がらせは聞いたことがありません。女性もいきいきと活躍していました。

派閥が形成されていない組織では、仕事重視の風土が形成されるのです。