二度の更年期外来受診
一度目の受診は総合病院の更年期外来です。
問診からはじまり、血中のE2(エストラジオール)とFSH(卵胞刺激ホルモン)、2種類のホルモンの数値を調べる「女性ホルモン検査」を受けました。
具体的な数字は割愛しますが、検査の結果は「E2は限りなく低く、FSHが上がっている」という更年期の典型的なものでした。
年齢的に、今後はホルモンの分泌量も減っていく一方なので、HRTを試してもいいと思うけれどマストではないという先生の診断に、このときは自分の不調が治療に値するのか、それほどのことではないのか迷い、治療に進むことを選べませんでした。
それから半年後、やっぱり体調が思わしくなく、セカンドオピニオンのつもりで別のクリニックを受診。
治療を受けるためには、事前に子宮がん検診が必要なため、女性医師のいるクリニックを選びました。
問診で、いちばん体調がつらかった時期を聞かれました。
40代後半であったことを伝えると、しばし問診票と私を交互に見て、先生がこうおっしゃいました。
「どうにもならないほどつらいと、楽になりたくて(病院に)来ずにはいられなかったという方が多くて。もしかすると柿崎さんは、これまで不調とうまく折り合いをつけてこられたのではないですか?」
“つらさ”の受け取り方は、人によります。
でも、たしかに日常生活に支障が出るほどであれば、もっと早くすがるように受診をしていたかもしれません。
また、もし治療をはじめたら、約3か月おきに定期検診が必要になります。最初の検査では、一瞬、定期検診の手間と今のつらさを天秤にかけてしまいました。
結局踏みとどまったということは、そこまでではなかったのかも……と今は思います。