懐かしい島の音

私が小さい頃育った島では、朝になると船のエンジンの音が聞こえていた。そんなに海に近いわけでもなかったのに……。

『妻より長生きしてしまいまして。金はないが暇はある、老人ひとり愉快に暮らす』(著:ぺこりーの/大和書房)

いい音だった。

鳥の声も聞こえたし、風に揺れる木々の音も聞こえた。田舎だったから、たくさんの自然の音で目を覚ましていたように思う。

都会には都会の音があるように、田舎には田舎の音がある。懐かしい島の音だ。