できるだけ座っている以外の時間を長くする
いずれにせよ、とくに有酸素運動が動脈硬化の予防に有効であることは数々の研究で明らかになっていて、2022年7月に改訂された日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」でも、それらの研究に基づいた運動療法の指針が示されています。
それによると、ウォーキング、速足、水泳、エアロビクス、スロージョギング、サイクリングなどの有酸素運動を、「ややきつい」くらいの強度で、毎日30分あるいは週150分を目標に週3回は実施することが推奨されています。もちろん、持病がある場合は医師の指導に従うことが大前提です。
また、有酸素運動以外の時間もこまめに歩くなど、できるだけ座ったままの生活を避けることも推奨しています。
座位時間が長いと、心血管疾患や冠動脈疾患、脳卒中、糖尿病の発症が増え、心血管疾患による死亡や総死亡も増えるという多数の研究報告があるのです。
座位時間を長時間継続せずに中断すると、血糖値やインスリン抵抗性が改善することもわかっていて、動脈硬化性疾患の予防が期待できます。
ですから、座っている状態をこまめに中断して、長時間続けないように心がけることも大切になります。