人生の鍵が隠れている場所

企業、会社でもパソコンは必需品である。

一人のデスクに一台パソコンがあり、それにむかってキーを打つことが大半のビジネスマンは仕事と錯覚している。

『風の中に立て ―伊集院静のことば― 大人の流儀名言集』(著:伊集院静/講談社)

そんなもん仕事であるわけがない。

なぜならキーを打って、何かに引っ張られているだけだからである。

仕事にとって一番大切な情熱、誇り、個性がパソコンの中に隠れているはずがない。

世界を変える素晴らしいアイディア、そして誤りを発見し修正できる能力はすべて、人間の本能に近い部分への刺激から誕生する。

朝から晩までパソコンの中にある情報、状況に身を置くことは間違いなのである。

そんなものはコンピューターにさせておけばいいのである。

では肝心は何か?

五感で目の前の世界を読み、判断し、何をすべきかを決定していくことだ。

「五感ですか?」

そうです。

文字を自分の手で書き、書きながら思考をくり返して行き、壁にぶつかればそこでまた考え続ける。

誰も引っ張ってくれない行動の中にだけ、個性、次代をより良くする道への扉、鍵が隠れているのである。