(写真提供:Photo AC)
2023年11月24日に作家の伊集院静さんが永眠されました。『機関車先生』『受け月』などの数々の名小説を残した作家でありながら、『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』などの名曲を手掛け、作詞家としても活躍しました。今回は、伊集院さんの名言が多数収録された『風の中に立て ―伊集院静のことば― 大人の流儀名言集』から、ユーモアがありながらも人間を見つめる深い眼差しが秘められたエッセイを、一部紹介します。

検索とは

スマホの中には何があるのか?

データがあるだけでしかない。

そのデータを或る種の答えと錯覚している人間が大半である。

検索は、押す作業と引っ張って行かれる作業をしているだけのことで、到達点と思われる所にあるのは答えではなく、状況もしくは今のところ、これですと伝えているだけだ。

これを若者、子供がやると、それが正解などと思ってしまう。無知とはたいしたものなのである。