休場している力士の状態は伝えてもらいたい

本場所が近いのに病院に行く力士がいるし、場所中に怪我をする力士もいる。

しかし、横綱や大関にならなくても、長く幕内にいる力士は心構えが違う気がする。39歳の前頭9枚目・玉鷲は、今場所ではないが支度部屋や花道での情報を伝えるアナウンサーが取組で足を痛めたようなので聞いたら、「いいんだ、いいんだ。これで悪いところが全部出た」と話したそうだ。

今場所は37歳の前頭11枚目・佐田の海が取組で足首を痛めたようだが、アナウンサーが「絶対に悪いところは言いません」と伝えていて、足が悪いから前進を試みて14日目までに9勝している。

戦える力士が痛いところを隠すのは良いが、休場している力士の状態は、はっきり伝えてもらいたい。今年は初場所が横綱・照ノ富士、春場所は平幕の尊富士と伊勢ケ濱部屋の力士が優勝している。14日目の正面解説の伊勢ケ濱親方(元横綱・旭富士)は、照ノ富士の痛めた脇腹は良くなったが、膝の方は調整中で、「次は万全な状態で出場しないといけない」と語り、尊富士は足首の靭帯を伸ばし、「本人は来場所出たいと言っているが、そこは無理するところじゃない」と話していた。師匠から直接聞けて良かった。

さて、十両の優勝争いは分かりやすくて、幕内から膝の怪我で落ちて十両に復帰してきた6枚目・若隆景が1敗、それを幕内から8年ぶりに十両で相撲を取ることになった3枚目・遠藤とざんばら髪の新十両の12枚目・阿武剋が2敗で追っている。遠藤も若隆景も幕内に戻って欲しい。

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