疲労を放置すると慢性疲労になってしまう
疲労には、急性疲労、亜急性疲労、慢性疲労の3段階があります(図表2-2)。
急性疲労は1日~数日寝れば回復する程度の疲労です。
亜急性疲労は、寝ただけでは回復せず、疲労感が1週間~数カ月続く状態のことをいいます。
疲労が半年以上続くと、慢性疲労といわれる状態になります。そして、慢性疲労の状態から、慢性疲労症候群を発症することもあります。
「慢性疲労と慢性疲労症候群は同じでしょう?」という方もいるかもしれませんが、正確には異なります。
慢性疲労は疲労の状態を指す言葉です。なぜ疲労しているか原因がはっきりしています。
「激しい運動をずっと続けたから」「このところずっと仕事が忙しかったから」というように、疲労の原因が明確なときは慢性疲労だといえます。
一方で、慢性疲労症候群は立派な病気の一種です。 脳脊髄という中枢系の炎症で、頭痛や発熱があり疲労感が半年以上続きます。
ちなみに慢性疲労症候群という病名は最近、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」という名称に変わりました。
CFSとは、Chronic Fatigue Syndrome の略です。
慢性疲労症候群だけではありません。疲労はこのほかにもさまざまな体の不調をもたらします。
※本稿は、『休養学――あなたを疲れから救う』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。
『休養学――あなたを疲れから救う』(著:片野秀樹/東洋経済新報社)
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