出典:『なんとなく疲れる・つらい・痛いを解消する「ツボ」図鑑-自律神経ひとりメンテ』(監修:柳本 真弓 /中央公論新社)
コロナ禍における制限、SNSなど過剰な情報の氾濫、異常気象…と、心身に多大なストレスがかかる状況が続いています。目白鍼灸院院長の柳本真弓先生は、「それらが自律神経に影響を及ぼした結果として、体調不良を訴える人も増えている」といいます。特に「なんとなく不調が続く」と感じている場合、交感神経と副交感神経のバランスが崩れている可能性が高いと先生は指摘しており――。

交感神経と休息やリラックスの副交感神経

自律神経のバランスとは、具体的にどのようなことをいうのでしょうか? 簡単にまとめると、「メリハリ」です。

人間は大雑把にいうと、朝に目覚め、昼に活動し、夜に睡眠をとるというサイクルで生活しています。活動を司る交感神経は、主に昼の活動に適したコンディションに整えるために働く神経といえます。

活発に動くために心拍数を上げ、呼吸を速め、血流を促すために血管を収縮させます。活動中に食事や排泄の必要はないので、胃腸の働きを抑えます。

副交感神経は逆に、夜の睡眠に向かって働く神経。ゆっくり呼吸をし、心拍数を落としてカラダを休ませる方向に整えます。活発に動く必要はないので血管はゆるみ、食事のために胃腸の働きは活性化します。

この緊張と緩和という2つの働きが生活のリズムにマッチしていれば問題なく過ごせます。しかし、昼夜が逆転したり、ストレスや生活環境に変化があったりすると、自律神経のミスマッチが起こります。

そのような状況が続くと、やがて不調につながるのです。緊張しすぎてもゆるみすぎてもダメ。やはりバランスが大事ということです。