無意識のカテゴライズ

先ほどの言い方で決めつけられた側の立場から、考えてみましょう。

「いえ、私どちらかと言うと甘い物は苦手なんです」

『次につながる対話力「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと』(著:木場弘子/SDP)

「いえ、私はアキバのフクロウカフェで、本物のフクロウと戯れてみたいです」

――と、はっきり主張できる人ならともかく、少し気の弱い方の場合、相手の決めつけに押し切られてしまうかもしれません。

この、決めつけ話法としての「フツー~だよね」の根底にあるのが、最初に挙げた無意識の「カテゴライズ」です。

ここでは、こうしたカテゴライズを避けるため、「自分の常識が万人の常識とは限らず」という点を肝に銘じておくことをご提案します。

常に謙虚な視点を持っておくことによって、対話におけるトラブルを避けることができると考えます。

そもそも常識というのは、時代と共に変化し、コミュニケーションのツールひとつ取っても、固定電話、インターネット、携帯、スマホと、主役が変わるごとに情報や知識、ものの見方、考え方……は、どんどん変わっていくものでしょう。

多様性という点でも、住んでいる町内だけの人との交流から、インターネットやスマホを通じて世界規模のやり取りが当たり前の今とでは、広さと深さにおいて全くの別次元。