(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
文化庁の「令和3年度 国語に関する世論調査」によると、言葉の使い方の社会的課題として「場にふさわしい言葉遣い」「中傷的な発言」を挙げた人が多かったそう。そのようななか、「話し方には、<人生>そのものが表れる」と話すのは、TBS初の女性スポーツキャスターとして活躍し、現在は大学教授や企業の社外役員も務める、フリーキャスターの木場弘子さん。そこで今回は、木場さんの著書『次につながる対話力「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと』から、木場さん流・人生が磨かれるコミュニケーション術を一部ご紹介します。

自分の常識が万人の常識とは限らず

Q.最近多いSNSの炎上などは、他人のことを自分勝手に決めつけるせいで起こっているように思います。そうならないよう、気をつける点はありますか?

対話で大切な共感を阻む“壁”となるもの、そのうちの一つは無意識の「カテゴライズ」です。

それはしばしば、次のような言い方でひょっこりと顔を出します。

「女性はフツー、甘い物が好きでしょ」

「外国人ならフツー、京都へ行きたがるんじゃない」

しかし、本当にそうでしょうか?

私の知人や友人を思い浮かべただけでも、激辛好き、お酒好きでスイーツが苦手な女子は何人もいますし、インバウンド客についても、SNSの拡散で思いもよらぬ場所に人気が集まっている例をよく見聞きします。

にもかかわらず、女性なら甘い物、外国の方なら京都、という決めつけになってしまう。

そこでの“決めつけ話法”によく使われるのが「フツー」であり、それはしばしば「フツー~だよね」「フツー~でしょ」という構文で用いられます。

これこそ、より良いコミュニケーションのための共感を邪魔する曲者です。

この構文に当てはめて、物事を自分なりに整理することは否定しません。

ただ、そう決めつけられた側はいい気はしないと思うのです。