(イラスト:こやまもえ)

体重を減らさない努力が必要

日々の診療を通じて私が気になっているのが、女性の「痩せすぎ」問題。もちろん生活習慣病につながるような肥満は避けねばなりませんが、エストロゲンは脂肪組織からも作られますし、筋肉量を維持するためにも、閉経後は多少ぽっちゃりしているぐらいが健康的と言えます。

シニア女性の適正体重より低めだった人が、食事に気をつけ、2~3kg体重を増やしただけで、「疲れやすい」「冷え」などの不調が改善し、元気になることも。

痩せすぎによって気をつけたいのが、サルコペニア(筋肉量の減少にともなう身体機能の低下)やフレイル(心身の虚弱)です。これらが進むと、要介護状態に陥る大きな原因になります。

更年期以降は骨も筋肉も減りやすくなるため、栄養バランスのとれた食事を心がけ、定期的に軽い運動も続けましょう。起床時間を一定にし、日中は活動的に過ごして質のよい睡眠をとることも大切です。

アフター更年期の不調には、こうした日々の「養生」が効果を発揮することも珍しくありません。