何をしてあげても感謝すらしない姉
母の食事の世話は、姉と半分ずつ負担しています。かつては家事全般を担い、料理もしていた母ですが、さすがに最近は作りません。もし、真紀子さんが都心まで通勤すると、片道1時間半はかかります。帰宅は早くても7時半~8時半になるでしょう。となると、母の食事の支度を、姉1人に負担させることになります。姉の職場は実家から車で30分程度と近いですが、毎日、仕事から帰った姉に食事を作らせるのは酷でしょう。なので真紀子さんは出社が必要な働き方は無理です。もし今の会社で出社日を増やせと言われたら、困ってしまいます。
ずっと独身の姉は、実家を出たことも、独り暮らしをしたこともありません。専業主婦だった母が元気だったうちは、家事を含め、姉の面倒はすべて母がしていたようです。「姉は脳天気というか。人にやってもらうことに慣れていて。モノは出しっぱなし、片付けられない。以前は母が片付けてたのが、母も年を取ってきてやらなくなったら、姉の私物が居間に出たままなんです。自分の部屋にすら持って行かない。ゴミも捨てない。その面倒を見るのは私なんです」と、真紀子さんはぼやきます。
例えば、夜に居間でお茶を飲んだ後。真紀子さんは寝る前に、自分のコップを洗ってから寝室に引き上げます。姉のコップも、以前は一緒に洗ってあげたのですが、ありがとうの一言もありませんでした。そもそも、自分が使った食器を洗ってもらったことにすら、姉は気付いていないようでした。
それなら放っておこうと、最近は、あえて手を出さないようにしています。すると翌朝、姉から嫌味を言われます。「ほんと意地悪ね。どうせ自分のを洗うんなら、ついでにやってくれたらいのに」と。逆に、姉が真紀子さんの食器やコップを洗ってくれることは皆無なのに。いつもいつも、姉はやりっぱなし、使いっぱなし。誰かに片付けてもらっても気付かないし、それが当たり前と感謝もしません。そういう姉の性質に、真紀子さんはイライラさせられっぱなしです。自分は姉の面倒を見るための要員じゃないのに、と思ってしまいます。