(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第30回は「娘の夫に借金があるとわかった。親として手を差し伸べる?」です。

Q 娘の夫に借金があるとわかった。
自力で返済するというが親として心配

A)一時的に立て替え、親に返済させる

B)娘が助けを求めてくるまで何もしない

親も子も、自立と自律を

今回は、あなたに娘がいると想定し考えてみましょう。結婚し独立した娘から「家計が苦しい」という話が出たシチュエーションです。よくよく聞いてみれば「夫に借金がある」とのこと。夫婦で協力して返済するという娘の言葉を聞いたとき、あなたはどう行動するのが幸せぐせかを考えてみましょう。

どんな理由、金額であっても親が先走って対応する必要はありません。ずばり幸せぐせはB、不幸ぐせがAです。ただしBであっても、実際に助け船を出すのは娘が離婚を決意したときだけ。正確には、「今は助けを求めてきても何もしない。娘が離婚を決断したときに自立をサポートする」です。

なぜ今は何もしないかというと、親もとを離れて、新しい家庭を築いているなら、親はそんな子どもの自立と自律を見守る立場だから。ある意味、他人になったと考えてもいいでしょう。家計が苦しいとか、借金があるというのは、よその家の話。よそ様の借金を立て替えるなんて、普通はしませんよね。しかも「自力で返済する」と言っているなら、夫婦仲もいいのでしょう。親とはいえ、余計な口出しは無用。借金の話を親にしたことを深読みするなら、もしかして親が助け船を出してくれるかもしれないという娘の期待があったのかもしれませんが、「それは大変ね」と相づちを打つに留めましょう。もちろん年長者として、法的なアドバイスぐらいはしてあげてください。「あちこちから借りていて大変だったら一度、弁護士に相談してみたら」「金額が大きいなら自己破産という手段もあるのでは?」など。