汽車のような勢いで
桃子 私、おばあちゃんとお母さんのノリについていけないこともあったな。「幽霊の手はこうだ」「いや、こうだ」とか2人でやってたけど、違いがわからない。
響子 おばあちゃんと私の間には、独特の呼吸みたいなものがあるからね。昔、おばあちゃんがものを書いているときに、私がいきなり、「愛とは何ですか?」って聞いたことがあって。
桃子 何それ。
響子 そうしたらおばあちゃんは、「『何ですか』とは何ですか?」って。それに対して私は「『何ですかとは何ですか?』とは何ですか?」ってね。変わりもの同士が一緒になって、独特の空気というか、ハーモニーが生み出されていた。
桃子 2人が鍋の中でぐつぐつ煮込まれて、ものすごく煮詰まってる、そんな感じだったよ。私がその中に入っても、ついていけなかったし、孤独に感じることもあった。
響子 あんたは生まれたときから私たちに巻き込まれているけど、質が違うかもね。