消費税の税収は大きく増加

生島 それなのに、この間ずっと、ひたすら増税や社会保障費の引き上げ一辺倒で、庶民の負担が増えるばかりです。

岩本 そうですね。令和5(2023)年度の租税及び印紙収入概算(一般会計当初予算)の合計は69.4兆円で、その8割を所得税、法人税、消費税が占めています。なかでも消費税の23.4兆円は33.7%と最も割合が大きいです。

遡ること10年前、消費税が5%だった平成25(2013)年度の当初予算は43.1兆円で、当時もやはり消費税・所得税・法人税で収入の8割を占めていましたが、消費税収は10.6兆円で比率としては24.6%でした(図表)。

租税及び印紙収入概算(一般会計当初予算)の税額と収入全体に占める比率<『日本経済 本当はどうなってる?』より>

生島 この10年間で、消費税の税収はそんなに増えていたんですか。

岩本 はい。10年で税収全体では26.3兆円増え、1.6倍となりました。この間、日本の経済規模も拡大しましたので、税収もその分大きくなるというのはわかるのですが、それぞれの税収が同じような増加率で増えているならまだしも、内訳を見ると所得税収は1.5倍、法人税収は1.7倍なのに、消費税収だけが2.2倍に伸びています。

この10年で消費税収の増加が大きく、つまるところ庶民の負担が大きくなった証左といえるのではないでしょうか。

※本稿は、『日本経済 本当はどうなってる?』(青春出版社)の一部を再編集したものです。


日本経済 本当はどうなってる?』(著:生島ヒロシ・岩本さゆみ/青春出版社)

FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を持つパーソナリティと、元為替ディーラーの“お好み焼き経済学”者。

ラジオでも大人気のコンビが、気になる経済ニュースの疑問を解き明かす、日本経済「超」解説書。