諏訪町、坂町、本塩町、三栄町

<諏訪町>

高田馬場駅周辺の町名は、高田馬場です。

この当たり前の事が当たり前の事になったのは昭和50年からで、高田馬場以前は駅の西側が戸塚町、東側が諏訪町という町名でした。

そもそも駅名自体も地元では「上戸塚駅」か「諏訪之森駅」を希望していたほどですので、町名の消滅が比較的遅めなのもうなずけます。

<坂町、本塩町、三栄町>

平成25年4月1日、新宿区である画期的な出来事が起こります。なんと、町域を変更せずに住居表示の実施が可能となったのです。

1911(明治44)年以来104年ぶりに四谷坂町が復活したことで坂町は旧町名に。(写真提供:二見書房)

街区方式による住居表示の場合、道路を境界として町域を形成する事になります。そのため小さく細かい町は従来の町域を崩すまたは町が消滅してしまいます。

千代田区の神田地区や新宿区の牛込(うしごめ)地区で住居表示が進まない要因はこの点であるとされていました。

市谷本村町+四谷塩町=本塩町。町名候補は本塩町、四谷本塩町、四谷塩町、四谷東。票数は本塩町が最多。(写真提供:二見書房)

そこで新宿区では住居表示の実施基準を改正し、町の沿革やコミュニティを重視しつつ住居表示を進められるよう、町域や町名もそのままでの住居表示を可能としたのです。

その結果、平成27年7月21日に坂町(さかまち)、平成29年9月19日に本塩町(ほんしおちょう)、平成30年8月13日に三栄町(さんえいちょう)と、四谷地区で相次いで住居表示が実施されました。

箪笥町+北伊賀町+新堀江町+3町が栄えるように=三栄町。誕生は昭和18年という珍しいタイミング。(写真提供:二見書房)

しかも注目すべき点は、従来の町名そのままでいいにもかかわらずこれら3町名すべてが「四谷」の冠称が付く形に町名変更を行ったことです。

以上をまとめると、旧町名を3つも輩出いただきありがとうございます。