三光町、花園町

<三光町>

思い込みとは恐ろしいものです。人の成長を阻害する要因は先入観であることを思い知りました。

三光院の三光は、日・月・星の3つの光源から成る三光石から。(写真提供:二見書房)

突然何の話だと思ったあなたに、ひとつ質問です。

新宿に花園(はなぞの)神社という街の総鎮守がありますが、その鎮座する地の旧町名は何でしょうか。

神社名は「花園」神社でゴールデン街内の通名はあかるい「花園」n番街です。わかりました?

それでもわからない場合は、いますぐ現地へ直行し、靖国通り側の鳥居をくぐり、すぐ側の石碑に刻まれている町名をお読みください。「四谷區花園町」と書かれていますね。

しかし正解は「三光(さんこう)町」でした。そう、これが先入観です。

古地図を見れば花園町ではないことは容易に判断できるはずですが、私も鳥居裏の「花園町」文字に完全にだまされました。

そして突如現れた謎の概念「三光」。彼は江戸期の神仏習合時代に花園神社と合祀されていた三光院の三光です。

明治の神仏分離令で本寺へ納め廃絶したものの、花園神社は地域の方から「サンコイさん」と親しまれていたとか。

つまり、三光町の方が花園町よりも花園町なのです。

<花園町>

なぜ花園神社から離れた新宿1丁目の旧町名が花園町なのか。

もし三光町が花園町を選択していたら。新花園町や花園本町……花園神社由来の町名だったのかな。(写真提供:二見書房)

実は花園神社のある三光町も花園町も元々は同じ内藤新宿町・内藤新宿北裏町で、四谷區への編入時に町名が分かれたのです。

つまり、場所はともかく花園町が花園を使ってもOKでした。

三光町が花園町を選択していたら花園町はどうしていたのでしょう。