浅草聖天横町

<浅草聖天横町>

待乳山聖天(まつちやましょうでん)の境内ではやたら大根を目にします。

供え終えた大根は持ち帰り可能です。まさにSDGs の先駆けな待乳山聖天。(写真提供:二見書房)

水鉢や提灯に大根が描かれているばかりか、参拝者が本堂に供えるための大根が1本200円で販売されています。

さらに毎年1月7日には2000人の参拝者に風呂吹き大根が振舞われる祭りまで挙行されているとか。

この謎の大根推し。お寺のパンフレットによると、大根は「深い迷いの心、瞋(いかり)の毒を表し、大根をお供えすることによって、聖天様が心の毒を清めてくださいます」とのこと。

『旧町名さがしてみました in東京』(著:102so/二見書房)

おそらく大根を供えることで聖天様という名の消化酵素が活性化され、でんぷんやグリコーゲンを分解し体内の毒素が中和されるのでしょう。なるほど、聖天様とはジアスターゼのことでしたか。

ちなみに農林水産省発表の作況調査によると令和2年産の大根の収穫量は約125万トンで出荷量は約103万トン。

大根の利用頻度を踏まえると、その出荷先は待乳山聖天と東京農業大学応援団の寡占市場なのかもしれません。

その待乳山聖天の横の旧町名です。くり返しになりますが、文字通り横です。