その影響は計り知れず

次に予算はどうだろうか。

マスコミではしばしば政権与党の不祥事を追及する野党が予算案を人質にして、国会審議を妨害しているように報道される。多くの国民は政治空白や不安定は困るとは思いながらも、実際に、予算案が成立しなくても、自分の生活には何の影響もないと思っているが、そう言い切れるだろうか。

今現在のガソリンや電気の補助金がなくなると、生活は大きく変わることになる。自力がなくなってくると政府のお金への依存度が高まるのは必然だ。年金制度など典型かもしれない。近い将来、政府は必ず支給開始年齢を引き上げようとするが、この影響は計り知れない。

予算と法案の機能不全の源となるのが国会の空転だ。

与野党の対立に加えて、やる気のない”ロボット官僚”が増える一方で、政治家志望で権力志向の官邸官僚が霞が関に蔓延るようになれば、あちらこちらで政敵のリークや機密漏洩が起こって、国会は権力闘争の場となり果ててしまう。

中国の王朝末期のような混沌とした状況に陥った時に、台湾有事や尖閣有事が起きたとしたら、一体どうなってしまうのだろうか……。