人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

病院での診察

大きな病院では、「1時間待って、診察時間は3分」といわれるほど、待たされたあげく、あまり話を聞いてもらえないという状況があります。

限られた時間の中で、医師の診断を受け、病状の説明があり、薬についての注意を聞く……。その流れをとめて、自分から積極的に質問などできないという人は少なくありません。仮に質問しようと思っても、

「医療の知識がないから、何をどう尋ねたらいいかわからない」

「あまりしつこく質問すると、医者から嫌われてしまうかもしれない」

というケースも多いでしょう。

しかし、自分の健康を守るのは自分自身。ドクターはその手助けをしているにすぎません。つまり、受け身で医療を受けているだけでは不十分で、自分の病気は自分の責任で管理する必要があります。

そのためには「メモをとる」のが基本です。きちんとした文章にする必要はなく、たとえば「頭が痛い」なら、「いつ頃から痛みが始まったのか、頭のどのあたりが痛むのか、どのような痛みか」などを、メモの鉄則である5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)にのっとって書き記しておけばいいのです。

ドクターには、そのメモを見ながら説明します。病状をきちんと説明するのは、ドクターとの大切なコミュニケーションと考えてください。