ドクターに伝えたら、終わりではない
診察を受けて家に帰ってから、「あれも聞けばよかった。これも聞いておくべきだった」と思ったことがあれば、それもすぐにメモします。シニアは、若い頃にくらべて記憶力が落ちるのは当然ですから、「気がついたことはすぐにメモ」が必須です。
とくに、診断されて「しばらく様子をみましょう」と言われたり、薬を処方されて「4週間後に、もう一度いらしてください」となった場合、その間の体の状態や疑問に思ったことなどをまとめておくことは大切です。
ドクターに伝えたら、それで終わりではありません。ドクターの答えもメモします。どんなに記憶力のいい人でも、ドクターの返事を完璧に覚えておけるものではありません。医学用語が出てきたら、あとで調べるためにも、その場でメモをとりましょう。
保坂隆さんの連載「人生を楽しむ ほどほど老後術」一覧
出典=『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』(著:保坂隆/中央公論新社)
保坂隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック院長
1952年山梨県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、現職。また実際に仏門に入るなど仏教に造詣が深い。
著書に『精神科医が教える お金をかけない「老後の楽しみ方」』(PHP研究所)、『精神科医が教える 繊細な人の仕事・人間関係がうまくいく方法』(三笠書房)、『精神科医が教える すりへらない心のつくり方』(以上、大和書房)、『頭がいい人、悪い人の老後習慣』(朝日新聞出版)、『精神科医がたどりついた「孤独力」からのすすめ』(さくら舎)などがある。