《家族の悩み3》

それでも運転を続けたいという親。気をつける点はありますか?

⇒最新技術を活用するのも○

少しでも運転に不安を感じたら、急に車を手放すのは無理でも、徐々に運転の機会を減らしていくことをお勧めします。その間に代替の移動手段や、運転に代わる親のやりがい、家族の中の役割などを一緒に見つける試みをしてはいかがでしょうか。

運転する本人が、まだしばらくは運転できそうだということであれば、高齢者対応の車に乗り換えるのもひとつの選択肢です。

いま各自動車メーカーの車両に搭載されている運転支援システムには、以下のようなものがあります。

・人の目と同じような左右2つの高性能ステレオカメラで、歩行者や自転車などを識別してくれる、スバルの「アイサイト」

・センサーが障害物を検知するとシステムが作動し、障害物への衝突を緩和する、トヨタの「インテリジェントクリアランスソナー」

・歩行者を認識してブレーキまでかけてくれる、ダイハツの「スマートアシスト」

そのほか今、お使いの車に後付けできるものとして、オートバックスが急発進防止装置「ペダルの見張り番」を発売しています。

また、鹿児島県ではドライブレコーダーの無償レンタル制度を導入しています。ドライブレコーダーは車両に大きな衝撃が加わると、その前後の映像を記録する車載カメラ装置。ヒヤリハットの場面を記録することができます。後でこの映像を見て、運転機能の低下をドライバーも家族もともに確認できるわけです。

いずれAIの自動運転車も一般化されるでしょう。しかし普及にはまだしばらく時間がかかります。

免許返納というのは、単に車を運転するか、しないかだけの問題ではありません。返納を考えること自体、すでに介護が始まっていると捉えてください。返納後の生活の送り方、具体的な移動手段をどうするかまでが課題になります。

それらの課題を親とともに解決し、次の段階の準備をすることも免許返納を促す第一歩だと考えて、前向きに取り組んでいただければと思います。