多くのエネルギーを使う

森永 しかも、格差が拡大すると温室効果ガスの排出量も増えるんです。推計によって違うんですが、少なく見積もっても、富裕層は庶民の100倍、極端な数字では1万倍の温室効果ガスを排出しているんです。

アメリカの富裕層が、買い物や仕事にプライベートジェットを使うからです。そんなエネルギーの使い方をしているから、庶民の1万倍もの温室効果ガスを出してしまう。

『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(著:鈴木宣弘・森永卓郎/講談社)

アメリカの富裕層ほどではなくても、タワマン住民は庶民よりも環境に負荷をかけています。タワマン最上階のペントハウスまでエレベーターに1回乗るだけで、何十円という電気代がかかっています。

タワマンってベランダに洗濯物を干せないので、乾燥機で乾かすことになる。しかも全室空調完備で、人がいないときにも空調が作動している。水だって電動ポンプで汲み上げなければならない。

なにもかもが電気で動いているので、庶民的な生活より多くのエネルギーを使うことになる。