遺骨は寺の所有物ではなく、墓を使用している人のもの。改葬の権利も使用者にあり、お寺側に墓じまいを認めない権利はありません。

とはいえ、これまでお世話になったお礼としてお布施(5万~20万円ほど)を包むのが礼儀とされています。

最近は「遠方に住んでいる」「住職に直接会いたくない」などの理由で、墓じまいしたい旨を手紙や電話で済ませる人もいるようですが、できれば一度はお寺に出向き、これまでの先祖供養に感謝を伝えるくらいの気持ちは持っておきたいものです。
(小西さん)


基本的には、ほとんどの寺院が墓じまいに対して理解を示してくれますが、なかには檀家が減ることを危惧して引き留めようとする寺院もあります。

離檀料という名目のお布施を要求する寺院もあり、その金額でトラブルになることもしばしば。

一方で、寺側から見れば、墓を放置されるのも困るのです。実際、承継者がわからずに無縁墓となってしまう墓も増えています。

それなら墓じまいをして、きれいに更地にしてもらったほうがいい、と考えるお寺も少なくありません。まずは菩提寺の住職に相談してみましょう。
(吉川さん)

3へつづく

【関連記事】
「墓を持たないという選択はできる?」「墓じまい、何から着手すればいい?」永代供養墓、合葬墓、散骨…専門家に聞くトラブルなく〈しまう〉方法
「継ぐ人がいないお墓、どうすれば?」「夫婦両家の墓を一緒にできる?」専門家に聞くトラブルなく〈しまう〉方法
66歳で離婚、夫の墓に入りたくない。檀家としての務めも大きな負担に。100万円払って2基を合祀、娘や息子にも感謝され