苦手な人が見えたら後ずさり
人間関係も非常にわかりやすくなりました。私はもともと人づき合いが苦手で、宝塚時代はお客さまに手も振らないし、パーティーにも出席しない。珍しく出席しても、「仏頂面をしている」と上級生に怒られてばかりで(笑)。
そんな私でも、以前はやむにやまれぬ「おつき合い」の場に顔を出さなくてはいけないことが多々ありました。ところが闘病を機に、きっぱりとお断りできるようになったんです。
今は、「一緒にいて楽しくない」と思えば誘われてもお断りしています。そのときはムッとされるかもしれないけれど、しばらくたてば相手も忘れるからあまり気にしません。だって、残りの人生そんなに長くないのだから、合わない人と無理して一緒に過ごすのは時間がもったいないでしょう。
だから、苦手な人の姿が見えたら後ずさりして、距離を取るようにしています(笑)。自分をネガティブにするものからは、とにかく逃げる。こんなに単純でわかりやすい生き方ってないんじゃないかしら。
逆に、大切な人たちへの感謝の気持ちは強くなりました。私が病気だらけの50代を生き抜くことができたのは支えてくれた友だちがいたからですし、いいお医者さまとの出会いがなかったら、今この世にはいなかった。よく妹から「人に恵まれているよね」と言われるのですが、私も本当にそう思うんです。