地方分権の危機に悲しみ
陛下は、日頃から社会のさまざまな問題について、大変深く学んでおられたと聞いています。いろいろ思うところはあっても、立場上、自分の考えをおっしゃることはできないのでしょう。沖縄に関してはひじょうに深く心を寄せられて、皇太子時代から何度も足を運んでおられました。
人の頭の中だけにある記憶は、その人がこの世からいなくなったら、消えてしまいます。今回、琉球放送のインタビューに答えたおかげで、陛下との一期一会が蘇り、とてもありがたいことだと感謝しています。そして当時、国が地方分権を進めたことも、活字でみなさまにお伝えしておきたいと思った次第です。
私はあの時代、地方分権推進委員会の一員として、私なりに力を尽くしたつもりです。今、それがないがしろにされつつあることに、深い悲しみと憤りを感じています。