旧友ジャッキー・チェンとサモ・ハン・キンポーとの再会
そんな時に声をかけてくれたのが、旧友のジャッキー・チェンとサモ・ハン・キンポーです。日本ロケのために来日していた彼らが、「お茶でも飲まない?」と連絡をくれたのです。
2人に「倉田さん、いま何やってるの?」と訊かれたので「干されて干物になってるよ」と答えたら、「もったいない! 俺たちとやろうよ!」と言われて。すぐにサモ・ハン・キンポーが監督を務める作品3本と契約を交わし、再び香港映画に出演することになりました。
僕は本当に人の縁に恵まれていると言いますか、たぶん向こうでは言葉がわからなくてもニコニコして、いつも笑顔でいたのが良かったのでしょうね(笑)。ファンにも知り合いのように接していましたが、当時そんなふうに気さくなスターは香港にいなかったと言われました。
久しぶりに参加した香港の現場は以前と変わらぬ雰囲気で、僕は「やっぱりこんないいところはないなあ!」と思いながら撮影していました。ゴールデンハーベストのスタジオで夜中の1時、2時まで撮影するのですが、それがもう楽しくてねえ(笑)。ただ、80年代のアクションは70年代より緻密になっていたので、NGの回数はグンと増えました。
セットの中は冷房がなく、暑い日は40℃くらいになります。それでも楽しかったんですよね。その頃になると、最初はダメだったご飯の上に鶏の足をのせた料理も、美味しく食べられるようになっていました。(笑)