孤独は適度に楽しみながら、孤立はしない

(2)孤独は適度に楽しみながら、孤立はしない

『ムーミン』シリーズに登場するスナフキンをご存知でしょうか。

彼は孤独を愛しています。他人に干渉されることなく、自分の思うままに生きる。おひとりさまの達人です。

スナフキンのようなキャラクターは、他の作品でもときおり見られます。

孤独というのは人によっては価値のあるもので、彼らに憧れたり共感したりする人も少なくないということでしょう。

たしかに、人間関係はときに大きなストレスの原因になります。

大阪府門真市の医師・辻川覚志氏が60歳以上の484名にとった「同居より独居のほうが幸福度が高い」というアンケート調査も、それを裏付けています(『老後はひとり暮らしが幸せ』、水曜社)。

また私の友人の阿久津さんも「お互いに気を遣うくらいなら」と離婚しました。

ただし、注意しなければならないことがあります。

孤独と孤立は違うということです。

孤独は“感覚”であり、孤立は他者と切り離された“状態”です。

スナフキンは孤独が好きですが、友人であるムーミン一家との関わりは描かれています。

阿久津さんもゴルフ仲間や私のような友人がたくさんいます。

彼らはひとりの時間を大切にしながらも、決して孤立はしていないのです。

これは、老後ひとり暮らしの壁を越える大切なポイントになります。